ワンパンチマンと経営者育成研究会
- ncu807
- 6 日前
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どんな敵も、一撃で沈めてしまう男。
『ワンパンチマン』の主人公・サイタマは、圧倒的な力を手にした最強のヒーローである。
しかし、彼の強さの裏にある「努力」は、拍子抜けするほど地味だ。
腕立て伏せ100回、腹筋100回、スクワット100回、ランニング10km。
それを、ただ毎日続けただけ──。
なぜ彼は、それだけで“最強”になれたのか。
そして、彼を取り巻くヒーロー協会の組織には、なぜあれほどの歪みが生まれてしまったのか。
この物語には、経営の本質を照らすヒントが隠れている。
1. 圧倒的成果を生む「普通の努力」の継続
サイタマのトレーニングは、特別な才能や資金とは無縁の「普通の努力」である。
だが、彼はそれを“誰よりも真剣に続けた”。
非凡な成果は、平凡な努力の非凡な継続から生まれる──この教訓は、経営にも通じる。
経営の現場では、派手な戦略や理論に目を奪われがちだが、実際に組織を支えているのは、報・連・相の徹底や、PDCAの地道な実践といった「基本動作」である。
当たり前のことを、当たり前にやり続けること。
その積み重ねが、やがて市場で勝ち残る“本物の強さ”となる。
2. 強さの「本質」と「評価制度」のギャップ
サイタマは、実力こそS級以上であるにもかかわらず、ヒーロー協会の評価システムの中ではC級からスタートする。
つまり、形式的なテストや指標では「真の価値」は測れなかったのである。
組織においても同じことが起きてはいないだろうか。
肩書や資格、数字といった“わかりやすい指標”が重視される一方で、現場で人を支え、信頼を生み出す人材が正当に評価されていない。
経営者に求められるのは、数値の奥に潜む「本質的な強さ」を見抜く眼だ。
それが、潜在能力を引き出すリーダーシップにつながる。
3. ジェノスに学ぶ「理想の右腕・後継者」像
サイタマの弟子・ジェノスは、師の行動を一つひとつ分析し、メモを取り、再現しようとする。
彼の姿勢は、理想的な後継者像を体現している。
しかし、師であるサイタマ自身は、自らの強さをうまく言語化できない。
「なぜ強いのか」を説明できないことに、彼もまた戸惑っている。
この構図は、経営の世界にも重なる。
経験や勘に基づいたリーダーの「暗黙知」を、どう次世代に伝えるか。
経営者育成研究会が果たすべき役割は、まさにそこにある。
個人の経験を、言語化し、共有可能な知恵へと昇華すること──それが次代の組織を育てる力となる。
「最強」とは、継続と謙虚の先にある
『ワンパンチマン』は、一人の最強ヒーローを通じて、「個人と組織の関係」「成果と評価のミスマッチ」「育成の難しさ」を描き出している。
最強の経営者とは、サイタマのように「基本を継続する力」を持ちながら、組織全体を適切に機能させる「構造の知恵」を兼ね備えた存在である。
あなたの組織は、真の“ワンパンチ”を正しく評価できているだろうか。
そして私は、自らの「基本」を、今日も愚直に続けているだろうか。
問い続けたい。




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