突然の別れ
全身の血液が逆流した。1997年5月7日午前8時過ぎ。人工呼吸器につながれモニターには心拍数や酸素飽和度が表示されている。その数字が徐々に減っていき、波形が動かなくなった。そのとき血が逆流する感覚を味わった。私は息子の名前を叫んだようだ。だが私の耳にはその声すら聞こえなかった。ただ血液が身体を駆け巡る轟音を全身で聞いていた。小学一年生だった一人息子は天使になった。
9.11テロと二人の父親の物語
2001年9月11日、アメリカで二つのビルが崩れ落ちた。犠牲者は2,977人。うち日本人は24人だという。先日NHKの特集で二人の父親の話を観た。1人目の父親は、息子が殺された理由を知りたいという思いから、テロの首謀者ビンラディンへの手紙を携えてアフガニスタンに渡った。その後は何度もアフガニスタンに向かい現地の子供たちに様々な支援活動を行う。もう一人の父親は、テロの記憶を風化させないために、567ページにも及ぶアメリカ政府の報告書を10年がかりで翻訳した。この特集は、深い悲しみを抱えながらも、憎しみの連鎖を断つために行動を起こした人々の23年間の記録を伝えていた。
その意味を問う
人は生まれながらにしてその意味を知らない。生きる意味を痛感せざるを得ないのは人の死を直面した時だ。特に近親者、身内の死が自分の生を問うきっかけとなる。経験者として言うならばその死は近ければ近いほど急であればあるほど応えるものだ。出来れば避けて通りたいというのが本音だ。だから出来ることなら離れた出来事に遠い先の未来に思いを馳せて欲しい。他人の死は間違いなく誰かの身内の死だ。誰もが未来のその時を予測できない。
今を生きる意味
いつも思い悩む必要はない。だがたまに誰かの死を捉えなおして今を生きる意味を見つめて欲しい。遡って過去を変えることはできない。今の時間の使い方を後悔しないに越したことはないのだ。7年間は全力で走ることを決め3年がたった。この間に3000回以上オンラインミーティングを行い、千人超のコミュニティは創ることが出来た。昨日面談した人に聞かれた。「その原動力は?」25年前、天使になった息子を約束をした。答えはそれかもしれない。
未来への決意
未だ道半ばでスタートラインに立てたのかも正直わからない。ただ目の前にある事を、思いつくありとあらゆることをただやり抜くのみだ。 今を後悔しないために
今生きる意味を知るために
そしていつか息子を会う時に胸を張れる父であるために
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