契約書を預かった直後にこう怒鳴られていた。
「営業だろ!なんとかしろ!」
20代半ば師走の追加契約に浮かれていた私に社長の説教は続く。
「俺が今日契約したのは年内にこの電話を入れ替えて新年を迎えたいからだ!
営業だろう!? なんとかしろ!!」
社長の怒りの激しさにビビりながら小声でこういうしかなかった。
「な、なんとかします。」
そうささいて営業所に飛んで帰った。
なんとかします 。。。。
とは云ったものの既に工事部門や選任担当者の先輩そして上司にも確認済みだった。
師走で忙しく年内の設置工事は無理だと言われていたのだ。
ただなんとかしないとキャンセルになる。
怒りを解消しないといい顧客を失う。
その社長はよく怒鳴るが人情味溢れいろんなことを教えてくれる素晴らしい経営者だった。
営業所に戻り上司に報告した後に私は各方面に電話し交渉を始めた。
あっちに頭を下げこっちに大声をあげた。
なんとか夕方には年内にギリギリ電話工事は完了出きることを確認できた。
社長のところに飛んで戻りそのことを報告する。
ニッコリ笑って社長はこう言った。
「なんとかするのが営業なんだ!」
彼は自分の過去の営業経験を交えながら話してくれた。
「出来ないと云うのは簡単だ。
出来ないと云うのは営業じゃない。
なんとかするんだ。
なんとかするために努力するのが営業だ。
そうして営業マンは成長するんだ。」
営業に少し慣れこズルくなりかけていた私を戒めてくれたのがこの社長の言葉だ。
30年間以上続く私の営業人生はあの時から始まったと言っても過言ではない。
出来ませんと言いそうになるといつもあの時の言葉が私を戒める。
出きることをするのはあたりまえ。
出来ないことにチャレンジしてこそ成長がある。
それは営業の真髄を越えてなお深みのある人生哲学に通じるものかもしれない。
説教は長過ぎないほうがいい。
そのことも社長は教えてくれた。
感謝!!!
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