top of page

Web・SNSを社内で運用させる方法とは?

髙橋明美(以下髙橋):本日のゲストはプリズムゲート株式会社代表取締役、芝田弘美様でございます。

そしてNCU合同会社CEOで経営者育成研究会代表の芳永尚、私は進行役の髙橋です。

本日もどうぞよろしくお願いいたします。

芝田様は、ウェブ業界なんと26年。クライアントは、首相官邸や総務省などの官庁からNTT、Yahoo!(現在のLINEヤフー株式会社)といった大手企業から中小企業、そして士業の事務所まで多数あります。「集客できるホームページ制作」のプロ・芝田様、本日は「Web・SNSを社内で運用させる方法とは?」というテーマでお話を伺いたいと思います。ここからは芳永代表との対談でございます。よろしくお願いいたします。

芳永尚(以下芳永):ウェブ業界で26年ということは、3歳の時からやってるってことですね。

芝田弘美(以下芝田):ありがとうございます。そうです(笑)。

芳永:(笑)ということで、そもそも芝田社長はどういうご経歴の方なのでしょう?

芝田:実家がヤマザキ・デイリーストアというコンビニだったのでお店育ちです。小学校一年生から働いておりました。その流れで大学ではマーケティングを勉強しまして、ミニストップ株式会社(イオン系列のコンビニエンスストア運営)という会社に3年間だけおりまして、その後、中小企業診断士の勉強をしていたのですが、途中でウェブにハマってしまいまして……、1996年のことです。25歳の時ですが、そのままウェブデザイナーになってしまいました。

芳永:なぜまたウェブにハマったんですか?

芝田:おもしろかったんです。自分の描いたイラストとか図やプログラム。当時は簡単なHTMLだけでしたが、それがパソコン上に現れて、それをいろんな人が見ることができるっていうのがすごくおもしろかったんです。結局、勉強していた中小企業診断士の試験には落ちました。

芳永:絵を描くのがとってもお上手ですよね。

芝田:ありがとうございます。中学・高校と漫画研究部にいました。それからお店(自宅)で毎週チラシを描いていたんです。手書きはすごく得意です。うちの母が経営していたお店のチラシです。年中無休で朝6時から夜11時までという営業時間で、超ハードワークでした。

芳永:ええーっ! では子どもの頃からチラシ作りをしていたわけですか?

芝田:はい。毎週金曜日締め切りなのですが、ちゃんとお金はもらえるんですよ、チラシ代として。テストとか中間考査とか学生なのでいろいろあるんですが、問答無用です。締め切りが優先です(笑)。

芳永:そういう素地があったんですね。そして、ウェブにハマって起業されて、それから今の会社を展開しているんですね。

芝田:はい。5年だけウェブ制作会社に勤めたのですが、2000年に「ホームページ制作ができるから」っていう、単なる勢いで会社を作ってしまいました。

芳永:なるほど。クライアントさんの規模が大きいですね。

芝田:創業して最初の半年間は、私が全然営業ができなかったのでなんにも仕事が来ませんでした。そのうち周りの人から徐々にお仕事をいただけるようになり、そのつながりで、当時はホームページ、ウェブ制作をやってる会社があまり多くなかったこともあり、NTTさんとか。それから官庁はどんな会社にも入札資格がありますのでそういったあたりから徐々に、ですね。

芳永:現在の事業について教えていただけますか?

芝田:横浜でプリズムゲート株式会社というホームページ制作会社をやっています。1996年にウェブデザイナーなりましたのでウェブ業界は27年目です。多分1000件以上のホームページ制作に関わっていると思います。趣味はマーケティングで、どうやってお客様の商材を売れるようにするかと考えるのがすごく好きです。あと、趣味の域は超えているのですが、日本舞踊を3歳の時からやっていまして、2022年には国立劇場の舞台に2回、立たせていただいています。

芳永:それは凄い! で、かつ空手三段と。

芝田:はい。そうなんです。私にとって日本舞踊と空手は同じような感じです。どちらもアクティブなんですよ。日本舞踊も坂東流で舞台用の歌舞伎舞踊なんですね。なので飛んだり跳ねたりするんですよ。それとは関係ありませんが、ホームページ制作を長年やっておりますので本を三冊出版させていただいています。

芳永:私、いろいろな経営者の方とお会いするのですが、ある経営者の方から「これいいんだよね」って芝田さんの著書、ススメられましたよ。

芝田:うわっ、それは光栄です!。ぜひその方のお名前を教えてくださいよ(笑)。

芳永:あとでこっそりお教えします(笑)。

芝田:絵を描くのが得意なので、(著書の)挿絵もすべて自分で描いております。

芳永:そこがすごいですよね。

芝田:やりすぎということで(笑)。当社は総勢10名の小さな会社で、横浜スタジアムの隣ぐらいにあります。当社のホームページ制作というのは、どんなホームページにしたらいいのかっていう部分、ネット戦略からホームページを作って公開し、公開後もずっとサポートを続けるという事業です。二十三年の業歴ですが、二十年以上になるお付き合いのクライアント様がいらっしゃいます。

サポートは他社制作のホームページでも受け付けております。よく「制作会社さんがいなくなっちゃった」とか「連絡が取れなくなってしまった」とか結構あるんです。それで困っていらっしゃる方が多かったので、そういったサービスも行なっております。実績は、中央官庁とか首相官邸とかもやっているのですが、ホームページ自体は今、中小企業がすごく多いです。私たちもそちらのほうが実はやりがいがあって、いろんなホームページを作っております。輸入車の販売会社さん、本の中でも実例として出させていただいてるポンプ会社さんですとかクリニックさん、もうさまざまです。

芳永:はあ〜。

芝田:感心していただいてありがとうございます(笑)。

芳永:いやいや、そりゃあ感心するでしょ。ホームページ、SNSでの集客ができる仕組みづくりっていうのが得意分野なわけですよね。

芝田:基本はホームページ主体でやります。ホームページが受け皿です。SNSは補助的な役割ですね。士業さんはSNSをやらなくても、ホームページからかなり集客ができます。お問い合わせが殺到してしまって逆にお叱りを受けたこともありました(笑)。

芳永:さばきれなくて、ですね。

芝田:はい。「新規ばかり来ちゃって仕事にならなくて困っちゃうよ」と。

芳永:すばらしいですね。極意はなんですか? バラしちゃってください。

芝田:それ、全部本に書いてあるんです。本当に全部書いたんですけど、ネットって、みなさん爆発的にポンっていくもんだと思いがちじゃないですか。実はそうではなくて、ずっと細かな努力を何か月かは絶対にやらなきゃいけないんです。瞬間的に効果が出るものではないんですね。細かな努力をしていると、それがある日を境にポンって上がるのがネットの世界なんです。この努力ができるかできないかで結果が変わってきます。おもしろいんですよ、ネットの世界は。

芳永:その極意をもうちょっと紐解くとどんな感じですか?

芝田:ホームページの場合、いちばんはお客様が使う言葉を想像することです。普通、会社の側にいるとその業界にどっぷりと浸かっていますよね。だから専門用語ばかり使ってしまうんですよ。そのままホームページを展開していくと、お客様が使っている検索ワードと全然違ってしまうんです。そこを合わせていくのがすごく重要です。

 

たとえば「日本舞踊」の事例でお話ししますね。私の日本舞踊のお師匠さんがホームページを作る時に、「うちは日本舞踊の稽古場だから」って言うんです。「稽古場」というワードを使ってほしいと。でも、今どき「日本舞踊、稽古場」で検索する人っていないわけです。それで何と検索されているか調べます。すると「日本舞踊教室」が多いとわかるんですよ。ですので、ホームページも「日本舞踊教室」にしなきゃいけないわけです。お師匠さんの言うことだけを聞いて、「日本舞踊稽古場」というホームページを作っていたら、誰も来てくれないホームページが出来上がるんです。そういった部分で、依頼者であるお客様と多少の交渉をしながら進めるというのが私たちのスタンスです。

芳永:その業界の人たち同士で喋っているのって、一般の人が聞いたら分かんないですもんね。

芝田:「うちはグラフィックデザインの会社です」とか言っていても、お客様が求めてくるのは会社パンフレットとか、おしゃれな封筒デザインとか、そういう具体的なことなんですね。ホームページにそのワードがないと、まったく検索で見つけてもらえないんですよ。そこを合わせるっていうのがいちばん肝になります。

芳永:それでは、「経営者育成研究会」はどういった検索ワードが良いですかね?

芝田:「経営者」って難しいですよ。

芳永:あとでゆっくり相談します(笑)。

芝田:「経営で悩んでいる」ことに焦点を当てるのがいちばん簡単ですね。クリニックさんなども悩みのワードで作るんです。そういうワードをホームページに入れるんです。そうすると来てもらえる可能性が高まりますね。

芳永:やっぱりプロですね。

芝田:はい、ありがとうございます。まあ、もう20年もやっておりますので。

 

芳永:そんな芝田社長から、ぜひ次世代に向けて何か一言いただけけますでしょうか?

芝田:仕事をいっぱいしてほしいなあと思います。仕事って嫌なものっていう風潮、ありますよね。ワークライフバランス、プライベートを大事にしよう的なことをおっしゃる方とかね。世間的にもテレビを見ていてもそんな感じなんですが。仕事って生活を安定させるためのものじゃありませんか。なので、まずは仕事を一生懸命やったほうが人生の質も高まるのではないかなって私は思います。

芳永:わかりやすいですね。ホームページと一緒です。

芝田:ありがとうございます。すみません、私あんまり難しい言葉知らないので。

芳永:いえいえ。でも、本質を突いている話ですよ。

芝田:仕事ってお金までいただけるうえにお客様から感謝の言葉をいただいちゃったりしますよね。凄く良い趣味だと思いませんか(笑)。

髙橋:ありがとうございます。お話を伺っていて、芝田さんはとにかくみなさんがわかりやすい言葉でってことを意識されているのではないかなっていう印象を受けました。

芝田:はい。そこ、すごく意識しているところです。

髙橋:可能な範囲でけっこうなのですが、なにか具体事例はご紹介できたりしますか?

芝田:では、先ほど触れたポンプ会社さんの事例をお話しします。ポンプ会社さんお仕事というのは、ビルやマンションなどにある、上水道に圧力をかけて全戸に流すというすごく大事なものなんですね。ただ客先がBtoBで、マンション管理組合やビル管理会社さんだったりなんです。「BtoBはホームページから集客なんかできないんだろう」っていうふうにずっと思われていました。今でもそうおっしゃる方はすごく多いんです。でも、私に言わせればBtoBっはすごくやりやすいんです。単価も高いですし、一件決まれば100万、200万という単位になります。

 

そのポンプ会社の美人社長に、「ちょっとホームページ、力入れましょうよ。コロナ禍も始まったことですし」ということで。私には勝算がありました。インターネット上で検索されているワードに、「ポンプの修理」とか「交換」とかがあったんですね。検索で探されていたことを確認したんです。池にお魚がいるなというのを確認したうえでそれに合わせたページを作り込んでいきました。「修理」「直結給水ポンプ」とか「井戸ポンプ」とか、そういう具体的なポンプ名を全部入れて各ページを作ったんです。それとポンプに関するお悩みですね。たとえばポンプから異音がするとネットで調べますよね。あと「このポンプの耐用年数って何年だろう」。そういうのはよくある質問というページを作って、全部そこに掲載します。そしたらですね。一日の平均ユーザー数は百倍になったんです。ちょっと頑張って調べればわかることだとは思うのですが、わかったうえでその対策とセットでやるっことって、とても重要だなって思います。

髙橋:芳永代表、ホームページお願いした方がいいかもしれませんね。

芳永:ホントですね。でも、知っているってことと、知識をちゃんと活用して具現化するっていうのはまた別のスキルだと思うんです。まず知らないっていうことと、それから知ったとしてもそれを形にできないっていうのがあるので、それを芝田社長のところではちゃんと形にするスキルがあるから結果が出せるんでしょうね。

芝田:芳永さん、おっしゃる通りです。知っていても形にできないとやっぱり正解にはならないんですよね。

芳永:よくあります。それ分かるよ、それ知っているよって言うんだけど、じゃあやれよっていうとそれは別ってこと、ありますね。

芝田:ウェブコンサルタントの方も、「情報提供のページを作りましょう」とか「こうやればアクセス上がります」とまでは言えるのですが、実際に具体的な提案ができる方ってごく少数なんです。だったら自分でやろうと。

髙橋:芝田社長は日本舞踊と空手をされているということで、ちょっとここを深掘りしてみたいんですが。3歳児から日本舞踊ってなかなかそうはならないと思うのですが。

芝田:ですよね。でも、うちの母に言わせると、私が高校生のころ「あなたが自分からやりたいって言ったんじゃない」と不満げに(笑)。「お金かかるんだよ」みたいなね

髙橋:でも所作もきれいになりますよね、日本舞踊って。しかも師範をお持ちだということですが、そちらの道に進もうとは思わなかったんですか?

芝田:まったく思わなかったですね。

髙橋:日本舞踊が、なぜ大学で空手になったんですか?

芝田:大学に入って空手部の見学に行ったら、「これ私にもできるな」と思ったんですよ。型が日本舞踊と同じだったんです。みなさん日本舞踊っていうと女形を想像されるんですけど、私は女形も男の踊りも両方やるんです。性別に関係なく。私は男のほうが得意だったんですね。それで「男の立ち方とほぼ同じじゃん、できるな」と。空手かっこいいし、みたいな。

髙橋:でも黒帯まで極めるってなかなかだと思いますよ。

芝田:うっかり入ったところが、体育会系空手部で、サークルじゃなくて部だったんですね。朝から晩まで稽古稽古で……。本気のやつでした。

芝田:ありがとうございます。すみません、私あんまり難しい言葉知らないので。

髙橋:さすがに今はやられてない?

芝田:ストレスが溜まった時とかやっています(笑)。

芳永:お話聞いているとチャレンジ精神がすごくおありなんですね。そういうの好きなんじゃないですか?

髙橋:ちなみに今は何にハマっていらっしゃるんですか?

芝田:stand.fm(スタンドFM)っていうのを始めました。ネット上のラジオです。毎日ちゃんと予約して6時に更新しています。5月5日に始めました。

髙橋:ちなみにどんなことを喋ってらっしゃるんですか?

芝田:みなさん、ネットはうまく利用しましょうね、みたいなそういうユル〜い話です。

芳永:今度ゲストで呼んでください。

芝田:本当に、ぜひぜひ今度対談ライブ、やりましょうか?

芳永:(笑)。話は変わりますが、SNSの運用、法人のSNSって個人のとは全然違いますからね。

芝田:SNSを法人でやると運用がけっこう難しいんですよね。私、考えましたよ。下準備としてSNSでの利点を出しちゃうんです。

「X(旧ツイッター)で採用活動ができる」これができたら採用経費を大幅に縮小できますよね。求人サイトとか一回募集記事掲載するのに数10万円とか出して、採用できなかったらまた出してってすぐに数百万になるので、その分は浮きますよねと。

ほかに、私が2万人くらいフォロワーのいるほかのYouTubeチャンネルにゲスト出演したことがあるんですが、そしたらすごい反響がありYouTubeいけるなと。自社で各種SNSの本をあれこれ買ってみんなで読んで勉強して。次に目的・目標設定を作りました。目標設定をよく「集客すること」にしてしまうケースが多いんですが、これはやらない方がいいと思います。すごく大変です。その集客に行き着くまでにいろんなステップがあって、従業員にしてみればそこがもろに営業になっちゃうんですね。

なので、まずは拡散力を上げることを目指そうと、告知先を増やすということはやっぱりフォロワー数だと。あと、投稿は人を傷つける事以外はどんな投稿でも許すと、私は検閲はしません。任せました。X班とかいろいろ作りまして、その後ルールを決めたんですね。班は2人以上、あらかじめ更新日を決める、投稿内容に上司、社長は口を出さない、「これはどうなの? ふざけすぎてない?」みたいなことは言わない。

最後に週一回のミーティング。ここで現在の数値、それを見たうえで「今週これやります」ってのを報告してもらいます。とりあえずやってみなよと。やってみないことにはSNSはわからないので。

芳永:なるほど。投稿に上司が口出さないって、そこ大事ですよね。

芝田:そうなんです。モチベーションがダダ下がりになっちゃいますし、スピード感が損なわれます。おばちゃんが口出していいことなんかなんにもない。スタッフの一人と話したら「社長や上司が口を出してはいけない、これがいちばん大事だ」と(笑)。

毎日更新だとやっぱりネタがないって従業員は言います。ただ、放置しておくとネタは見つけられます。あと、仲間うちで「次はこれどう?」とか「それいいね!」「もうこれやっちゃえやっちゃえ」みたいな感じで、ネタを見つけるのが本当に早くなりましたよ。更新日を先に決めておくというのが重要です。これ、結構ちゃんと自動的に動きます。

芳永:芝田社長と話していると楽しくて時間を忘れてしまう(笑)。

髙橋:では、最後になりますが、この先の事業展開や夢とか、そのあたりを教えていただけますか?

芝田:はい。会社を持続可能な会社にするというのが私の目標です。私だっていつかは、引退しなければいけないですし。私が作った会社ですが世襲制でもありませんし。いつかは従業員に任せなければいけない。そのためにSNS然りですけどもいろいろな取り組みをしておるところです。

髙橋:はい。今日は本当にありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

2023年5月9日収録

bottom of page