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プロデュース実績800件超! 鬼のクラファン集団
スバキリって?

髙橋明美(以下髙橋):本日のゲストはスバキリ商店株式会社代表取締役の小西光治様、そしてNCU合同会社CEOで経営者育成研究会代表の芳永尚、私は進行役の髙橋です。どうぞよろしくお願いいたします。

本日のテーマは、「プロデュース実績800件超! 鬼のクラファン集団スバキリって?」(2023年11月現在、1000件超)ということでお話を伺うのですが、小西様は2020年からクラウドファンディングのプロデューサーとして活動をスタートさせました。その後、順調に実績を積まれ、合計800件以上のプロジェクトを担当されました。直近の実績では「日本一」といわれている小西様のすべてを語っていただきたいと思います。

芳永尚(以下芳永):小西社長、本日はありがとうございます。まずはじめにお聞きしますが、「スバキリ」ってなんですか?

小西光治(以下小西):ありがとうございます。「スバキリ」、そこからですね(笑)。

現在、メンバーが58名ほどおりまして、その中にライター、デザイナー、イラストレーター、そしてマーケターなどがおりまして、ライターが取材して文章を書いて、それをデザイナーがデザインして、イラストレーターがイラストを描いて、申請作業も代行させていただくという感じの、「クラウドファンディングを丸投げで実施できるサービス」を展開しているのですが、もともと僕はアーティスト集団を運営しておりまして、たとえば書道家さんとか切り絵作家さんとかね。僕もアーティストの一人、切り絵作家だったんです。「すばらしい切り絵作家」略して「すば切り(スバキリ)」っていうアーティスト名で活動してたのがそのまま集団の名前になり、現在では法人名になっている、ということです。

芳永:わかりました。ありがとうございます。そこに至るまでのご経歴をうかがえますか?

小西:僕は、日本で現在おそらく3000人ぐらいしかいない「テクニカル・アナリスト」という資格を持つアナリストで、株価などのグラフ、チャートっていうんですが、あれを見てその株が上がるか下がるかの分析をしていたんです。

HISという旅行会社の、(当時)グループ会社にエイチ・エス証券株式会社(現Jトラストグローバル証券株式会社)という会社があり、そのグループ会社出身です。資金調達、運用ってところを仕事としておりました。そこを卒業し、アーティスト集団を運営しまして、それを盛り上げるためにイベントスペースをクラウドファンディングで作ったり、自分の本の出版をクラウドファンディングで実施したりしていたんです。そしたら僕のところに相談に来る人が増え出しまして。みなさん、クラウドファンディングの相談なんですよ、僕切り絵作家なんですけどね(笑)。それだけクラウドファンディングはビジネスや活動を伸ばそうという人たちに需要があるんだなと。僕たちが運営してるアーティスト集団の力を使って、そういう方々のお手伝いをしたら喜ばれるんじゃないかと思い、この業務を始めたんです。それが4年前です。

芳永:その間、クラウドファンディングを800件超やって来られて、どんな感じでお仕事が増えてきてどんな実績があるのか、可能でしたら聞かせていただけますか?

小西:もともとアーティスト集団ですので、アーティストたちのお知り合いから「個展をやりたい」とか「CDを作りたい」とか、そういうプロジェクトをお受けしているのがはじまりで広がっていきました。実績といえば、まったく関係のない飲食店さんのプロジェクトを弊社の方でお受けさせていただいて、そこが盛り上がってご紹介いただいたりとか、出版社さんからプロジェクトやってほしいってお声がけいただいたりとか、案件が増えると累積的にクラウドファンディングをやりたい方からお声がけいただいて、ありがたいことに今本当に日本中からいただいています。

芳永:お話によると、スバキリ商店もクラウドファンディングだそうですね。

小西:はい。ありがたいことにそうなんです。応援する側の僕がいちばんチャレンジしていないといけないと思い、法人化もクラウドファンディングのCAMPFIRE(キャンプファイヤー)で実施させていただきました。目標資金100万円に対して315万7千円集まり、みなさんの応援で法人化できました。ちなみに僕のYouTubeのスポンサーになってエンドロールにお名前が載ったり、ホームページにスポンサーとしてお名前が載っている方々も結構いらっしゃいます。

芳永:クラウドファンディングはCAMPFIRE以外にもやられているんですか?

小西:弊社はどこかに所属しているわけではないので、お客様の要望によってはMAKUAKEとかCAMPFIREとかREADYFORと、どこでも使い分けることはできますが、僕たちの収入は成功報酬なので、やっぱりお客様に盛り上がっていただき喜んでいただければ、僕らもその分収入が増えますので、一番集客力のあるCAMPFIREかなと思っております。

芳永:たとえば、もっとも多く資金調達ができたのはどれぐらいなのでしょう?

小西:1000万円近い資金を集めることができたプロジェクトがあります。クラウドファンディング業界ではけっこう有名な話です。西野亮廣さんが『えんとつ町のプペル』という映画をクラウドファンディングで制作されたのですが、西野さんの熱烈なファンの方からトラックを一台を『えんとつ町のプペル』にラッピングして日本中を応援して回りたい、という依頼の資金集めのプロジェクトです。

あと、印象的だった案件では、東京都内の駅前で勝手にチアリーディングをして応援している人たちがいらっしゃいまして、その代表の方から『応援アワード』というプロジェクトをやりたいと依頼されたんですね。その方は応援することを文化にしたいっていうんです。それは100万円の目標金額に対して、なんと500万円を超える結果になりました。

ほかに名古屋の古くからあるケーキ屋さんで『たぬきケーキ』というケーキを販売されてる方から、「なかなか売れない。どうしたらいい?」とご相談いただきまして、クラウドファンディングに上げたところけっこう盛り上がりまして、それを見た中日新聞さんから取材の依頼が来て、たぬきケーキがいっときバズったっていうのがありましたね(笑)。

弊社のライターが「洋菓子界の絶滅危惧種」と、ちょっとディスったような感じで書かせていただいて「私、狸推し」と制作したんです。リターンはこのたぬきケーキを郵送でお送りしますというものなのですが、これがかなり売れました。

芳永:無形商材なんかもあったりしますか?

小西:そうですね。けっこうあります。たとえばオンラインサロン、スクール系のプロジェクト。大阪のほうで『経営寺小屋』っていうオンラインスクールをやられている方がいらして、リアルでもやっているんですが、その宣伝のためのプロジェクトというのもお受けしました。無形商材なので目標金額は30万円とかなり低めに設定させていただきましたが、それは最終的には101万9千円になりました。

実は、クラウドファンディングには盛り上げ方のコツみたいなものがありまして、クラウドファンディング特有の売れやすい商品があります。そういうのを一緒に販売すると盛り上がったりします。たとえばこの経営寺子屋のクラウドファンディングであればメインで販売してるのは参加権です。2か月会員権2万円とかですね。1か月5000円と入会金1万円なので、こういうものを販売しているのですが、それ以外に企業スポンサーとして2万円でこの人のホームページに企業名とリンクを掲載させていただきますよと。これは8社購入されてるいんです。スポンサーとしてお名前が載っている会社の方は、この経営寺子屋にお友だちやお知り合いを連れて来られるそうなんですね。そこで、「このホームページ見て」とほかの人に話してくれたりします。経営寺子屋のことを宣伝してくれることになります。

クラウドファンディングというのはそもそも支援の販売ですので、スポンサーの募集ができます。スポンサーってけっこう売れやすいので、自分たちの商品やサービスを予約販売していただいて、なおかつスポンサーを募って、集まったお金で自分たちの活動費や宣伝費にしてくれたらいいような感じになっています。もちろん、その中身はすべて僕たちが作らせていただいているんです。

芳永:なんだか頼みたくなってきましたねー。

小西:ありがとうございます。このCAMPFIREのサイト全体の月間ページビューは1000万PVあります。クラウドファンディングのサイトってPV、多いんです。この経営寺小屋も日に300人ぐらいの人が見てくれました。1か月換算で1万人近くが見たことになるので、クラウドファンディングをちゃんとやればそれだけで宣伝になります。

芳永:実は私、2020年の暮れにCAMPFIREに申し込みをしたことがあるんです。

小西:全部お一人で、ですか?

芳永:そうです。一人でああだこうだやって提出したらオッケー出まして。それで「よし、いこう」って決めた日が2021年の2月だったんです。それがコロナ禍で緊急事態宣言が出ちゃって。「人を集めるイベントはダメよ」って言われて、公開前にポシャったんです。

小西:あらら……。でも、公開してからポシャるよりは良かったですね。凄い経験されていますね。

芳永:ええ。だから一度やりたいんですよね。そのときにはお願いします(笑)。

本当にさまざまな企業のご支援をされてきて、これからもますます支援の輪を広げていかれると思うのですが、そんな小西社長から次の世代へなにか一言お願いいたします。

小西:チャレンジすることをあきらめないでほしいですね。僕もクラウドファンディングを仕事にしようということで一歩踏み出せていなかったら、今の事業はありません。この800件以上の方々のお手伝いはできなかったんですよ。世のなかには多分、こういうことをやってみようかなって考えている人はたくさんいると思うんですけど、実行に移す人って数少ないんです。チャレンジしていくかどうかで、チャレンジしてうまくいったら今よりプラスですけど、うまくいかなくても今と変わらないわけじゃないですか。新しいことにチャレンジするのにリスクはないと思うので、ぜひぜひチャレンジすることを諦めないでほしいなあと思っております。

芳永:ありがとうございます。

髙橋:ありがとうございました。ここからは私もお尋ねいたしますね。小西社長にとってやりにくい商材、といったらどういうものでしょう?

小西:スピリチュアルなものです。クラウドファンディングのどのサービスにおいても効果、効能が確かじゃないものは掲載できないという決まりがあります。まあ、薬機法の問題というのもありますが。

極端な例ですが「身につけたらお金持ちになるネックレス」っていうのは販売できないんです。スピリチュアル系のものって「絶対運が良くなる」とか謳っていますが、立証が難しいんです。クラウドファンディングでやろうと思ったら、別のことを考えないといけないわけです。たとえば、「オラクルカードを販売したい」という形でカードを販売することは問題ないです。ただ、「占いで幸せになります」とかそういうものは実施することができませんよ、ということです。

髙橋:ちなみに、芳永代表の経営者育成研究会はいかがですかね?

小西:もう1000人のグループで、その方々のチャレンジを応援したいというプロジェクトであれば、そのメンバーの方々の支援はいただけるでしょうし、応援が集まりやすいのかなと思います。たとえば、その1000人の方に「購入しなくてもいいから見てね」と、それでクリック数が上がってくるとキャンペーンが上位に表示されます。すると注目のプロジェクトということになって、うまくいけばメディアの取材依頼が来たりとか、そういうふうに持っていけるんじゃないかなと思います。

髙橋:今、芳永代表の頭のなかにはメディアか、クリックかいろいろ新たな構想が生まれているかもしれませんが……。

小西:もしその1000人の交流会で一日一回、みんながクリックしてってことが実現できるとしたら、けっこう凄いプロジェクトになると思います。

芳永:「こういう新規事業をやるのでみなさんお金ください」というピッチイベントをやって、それで最終的に集まった金額が一位の会社が総取りみたいな。

小西:そういうイベントを実施するクラウドファンディングはもちろん可能です。そのチケット代を1万円にするとかですね。あとはスポンサーとか、イベントのzoomの背景に会社名を掲載するとか、そういうリターンもありますので、スポンサーと参加者を募ってそういうピッチイベントを実施することができると思います。あとは、その集まったお金によって、そのピッチイベントの規模を考えればいいだけです。

芳永:NCU合同会社のサイトって数百社ぐらいの企業情報が載っているんですよ。毎日クリック数が凄いんです。「そこに広告貼れますよ」とかそういうことですね。

小西:そういうスポンサーの募集はしやすいでしょうね。そんなに見てくれているんだったら、スポンサーの金額ももっといただいてもいんじゃないでしょうか。

芳永:スバキリさんでやられている仕組みって、ある意味DAOじゃないですか。これからって個人がいろんなスキルを持って集まって、プロジェクトを立ち上げて、頑張った分だけみんなで分けるという仕組みが広がっていくと思うので、だから、ある時は経営者として、あるときは会社員として、またある時は個人としてという形で、みんなでプロジェクトごとにいろいろやれる仕組みみたいものを推進したいんですよね。それをまさにスバキリさんが体現されていらっしゃるわけですから。今の仕組みを違う形でいろいろ広げられたり、ご指導されていかれれば、もっともっと幅広い展開が可能なんじゃないかなって思うんですよね。

小西:ありがとうございます。

髙橋:今後の展開について教えていただけますか?

小西:クラウドファンディングのシンボルになるっていうのが僕の夢なんです。YouTubeだと、ヒカキンさんとかひかるさんとかシンボル的な存在がいますけが、クラウドファンディングで思い浮かべるキャラクター、シンボリックな存在っていないと思うんです。「クラウドファンディングといえばスバキリ」みたいな感じですね。そういったものになりたいと思っております。なにかチャレンジしたいっていう人がいらっしゃいましたら、ぜひ個別にご連絡いただければと思います。

芳永:一つ、形ができている企業でも、その一部でクラウドファンディングを使うことで知名度をあげたり、新規事業を爆速であげていくとか、いろいろなやり方があると思うんですね。使いかたっていうのは、過去800件超の実績のなかでご経験がたくさんあると思いますので。

小西:はい。気軽にご相談いただければ。

髙橋:今のお仕事していなかったら何をされていたと思います?

小西:チャレンジする人を応援するのが僕たちの理念なので、なんらか応援ができるようなことをやっていたんじゃないかなと思います。

髙橋:貢献っていうところが滲み出てすばらしいですね。

芳永:小西社長と以前からいろいろお話しさせていただいて思うのは、目の前のことをものすごく一所懸命やって来た人だなってことなんですよ。いろいろと転進はされていながらも、一つ一つのところでやっぱり根を詰めて相当一所懸命された人なんだと私は解釈しているんですね。だから、そうやっていたら必ず自分の使命っていうか、与えられたものって出てくると思うんです。その流れの中で、クラウドファンディングっていうところに行きついて、さらにこれだっていうことで今で続けられているのかなっていうのは私なりに思うんですけども、そうじゃありませんか?

小西:ありがとうございます。その中で失敗したこともたくさんありまして、唯一伸びたのがクラウドファンディングという感じですね。

髙橋:今日はいろいろと貴重なお話をありがとうございました。きっと芳永代表が何か構想を練られたらご相談にまいるかと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

2023年4月11日収録

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