NFT・DAO・Web3.0 私も知りたいその世界を体感しませんか?
髙橋明美(以下髙橋):本日のパネラーはキャンバス社会保険労務士法人・創業者兼顧問でいらっしゃいます、五味田匡功様。そして経営者育成研究会代表でNCU合同会社CEOの芳永尚でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
髙橋:本日のテーマは、視聴者のみなさん、大変気になっているテーマかと思いますが、「NFT・DAO・Web3.0 私も知りたいその世界を体感しませんか?」いろいろ耳にする言葉ですが、「これって一体何なの?」という方も多いと思います。
その前に五味田さんってどんな方? というところから始めさせていただきたいと思います。五味田さんはの肩書きは社労士(社会保険労務士)さんということでいいんですよね?
五味田匡功(以下五味田):そうですね。それがいちばん怪しくないのでそれでけっこうです。
髙橋:起業された経緯はなんだったのでしょう?
五味田:はい。よろしくお願いいたします。
もともとは会計事務所のなかの社内ベンチャーでスタートいたしました。今でこそ社労士法人と名乗る会計事務所は多いと思うのですが、当時はあんまりなかったんですよ。
で、僕は会計事務所に新卒で入所し税理士を目指そうかと思ったんですが、税理士は競合にすでに強いところがたくさんあったんですね。一方、社労士はそんなになかったんです。
たとえるなら運動神経がすごくよい時期に、野球やサッカーに行かずに、あえてゴルフやテニスを選んだという感じでしょうか。能力値的に自分なら社労士の業界でもけっこううまくいくかな、みたいな。それがスタートだったんです。
社内ベンチャー立ち上げが26歳で、やってみた結果「こりゃいけるな」ということで28歳で独立しました。その後、社労士事務所の経営をやっていたのですが、当時はまだそういう言葉もなかった時代でしたが、「働き方改革」に関する財団法人、ホワイト財団を政治家の片山さつきさんとコンサルタントの小室淑恵さんの3人で立ち上げ運営しております。この「働き方改革」が思いのほかブレイクしまして、ここでかなり儲けさせていただきました。
その後、ネクストプレナー社団というのを立ち上げますが、これについて少し説明させていただきますと、承継者のいない65歳以上の方が経営されている会社というのが全国に127万社あるんですね。それをこれから起業しようとする若者に、「いやいや、ちょっと待って」と、「起業しなくてもいいからここ入って承継してください」という承継者支援の事業モデルを作ったのですが、これも事業承継といった波に乗っかりまして儲かりました。そして後ほどご説明させていただきますが、最近はNFTやメタバースといった事業に乗り出しました。
このようにけっこう多種多様な事業を展開させていただいているんですが、僕のなかでは共通項がありまして、要はこれから伸びるであろう事業、需要は多いけどまだまだ供給が少ないものに対して作り込みをしていくというやり方です。
先ほどお話しさせていただいたホワイト財団では「ホワイト企業認定」というのがありまして、当時は働き方については労働時間が長いか短いかで語られていたところがあるんですね。労働時間が長いからブラック(企業)で短いからホワイトってことじゃないよねっていうことで基準を新たに作りました。儲かっていて、仕事と生活のバランスが取れていて、健康を気遣うことができていて、人材育成して働き甲斐を感じることができて、人材が活用できて、リスクヘッジができて、法律を守っている。ブラックかそうじゃないかを論じるときって「法律」だけで論じられることが多いと思うんですけど、僕はそれはあんまりかなと思っていまして。今挙げた項目のトータルバランスが取れているかってことをもってこの「ホワイト企業認定」というのを作ったんです。まあ、これが当時非常にバズりましてですね、社労士事務所の業績も上がり有名になったというものです。
次に、ネクストプレナー社団についてなのですが、事業承継の大学、学校法人といしての大学ではありませんが、次の承継者を募集していろいろなプロジェクトを走らせています。承継する会社を弊社で購入して、承継したい若者を入れて利益が上がるようお手伝いをしているというビジネスです。
髙橋:おもしろいですね。
五味田:ありがとうございます。
芳永:こうして見ているといろんなことを先駆けとしてやってらっしゃいますね。
髙橋:そうですよね。需要と供給のバランスを見越していらっしゃるという。
芳永:なんか盛り上がっているからそこに入ってみようという人たちは多いけど、ここいけるなってところを見つけて、そこでトップランナーになっているところがありますよね。
髙橋:そもそも働き方改革、ホワイト企業ってところに目をつけた理由ってなんだったのでしょう?
五味田:それは「働き方改革法案」みたいなものが作られているということを知っていたので、対応しないといけないだろうなということで作りました。
髙橋:見ていただいたホワイト企業認定審査には全部で70の設問がありましたが、それに答えていただき分類するというイメージでしょうか?
五味田:そうですね。それを元にコンサルティングを行ないます。まあ言ってみれば「Pマーク(プライバシーマークは、個人情報の保護体制に対する第三者認証制度)」みたいなもんです。
芳永:次のネクストプレナーはもう完全に事業承継ですね。
五味田:はい。こちらはいろんな新聞等に取り上げていただいて30億の資金調達を得ましたがそれは使い切ったので、個別案件で10億とか10数億とか調達しながら法人を買って若者に社長をさせるみたいなことをやっています。
髙橋:実地でできるってことですものね。それはやりたい方多いでしょうね。
五味田:そうですね。僕もここ4、5年はMAで会社買って起業しようとしている若者に社長をさせて、最初に株の2割を渡すんですよ。それで3年以内に僕から残り8割を買い戻すか、もしくはバイアウトして利益を確定させてくれ、というふうな感じですね。
髙橋:先ほど個別に資金を調達するというお話しでしたが、そうはかんたんに調達できないような気がするんですが、その辺ってどうされているんですか?
五味田:もうそれは企画書作って、こうすれば利益上がりますよって説明しますよね。
妹尾:提言っていうとちょっと偉そうで言いづらいのですが、伝えたいというか共有したいことは、教育こそが日本の未来だと、あらためて今思っています。一般的に大学卒業まで、0歳から22歳まで親が育てるとしますよね。そこに小学校、中学校、高校、大学と、六年、三年、三年、四年っていうふうに他人が育ててくれる時期が被りますね。
これを卒業した瞬間、親の教育も学校の教育もなくなって、いきなり企業に入ってくるわけですよ。この瞬間というのは生まれたての赤ちゃん、ビジネスパーソンとして考えると本当に赤ちゃんなんです。なんでも鵜呑みにしてくれるという。だからこそ、企業側の教育の責任というのが重くのしかかっているのです。ここで間違った価値観を植え付けてしまうと、その子たちもそれが正しいと思って育つので、もし「成功して金を稼ぐのが正義だ」と社員に伝えていたら、みんなそうなってしまいますよね。でも、弊社では僕が二言目には「これ、日本の未来に繋がっているの?」と尋ねるので社員たちもそこが基準になるんです。
日本の未来のために僕ら経営者が先陣を切って若手の育成に力を注いでいただきたいと考えています。
教育が社員のモチベーションを向上させるということはやってみて感じます。今の若い子たちって、ゆとり世代とかさとり世代とかって揶揄されていますが、この子たち僕らの詰め込み世代とは違うので、哲学的に自分と向き合う時間があったんですね。そういう中で、社会貢献とか自己実現とか、パーパス経営みたいのが今騒がれてる理由と背景もあると思うんですね。この子たちをそういうふうに正しく育てるとみんなの目の色が変わってモチベーションがめちゃくちゃ上がります。そんなことを一緒にやりながら、最終的に私たちと一緒に日本の未来を支えていただきたい、っていうのが私から次世代の経営者にお伝えできることかなと思っています。
髙橋:プレゼンをするってことですよね。プレゼン力がすごいんですね。
芳永:もうレベルが違うんだよ(笑)。
五味田:いや、そんなことないです(笑)。
髙橋:社長をやってください、って誰彼かまわずってわけにはいかないじゃないですか。もちろん基準があると思うんですが……
芳永:そうそう。どうやって人を集めるんですか?
五味田:ひとりとかふたりくらいでやっている法人があるんですけど、だいたい行き詰まることが多いんですよ。たとえばお金が足らないとか、たとえば発想が足らないとか。まずそういった法人を買い取ります。それを僕がブラッシュアップしてやるんですが、買い取ったときのその社長をこっち(事業継承対象社)に入ってもらうんです。個人的にやっているほうはそういうやり方ですね。それが手間なのでネクストプレナー大学ってのを作ってそこで経営を学んでもらって社長をしてもらう、という流れなんです。
髙橋:(大学の)講師はどういった方がやられるんですか?
五味田:講師はこちらで手配させていただいた一流の人たちで、僕のイメージでは講師はまだ現役で走ってらっしゃる人で、何か問題が発生したら助けてくださるような人にしているんですよ。実地で教えて何かあったら介入してくださる人たちにお願いしています。師匠ですね。「スターウォーズ」だとオビ=ワン・ケノービですね。剣も教えるけど、いざ戦いとなったらサッと出てくると。
髙橋:生きた授業が受けられるということですね。
五味田:はい。そういうことです。
髙橋:それだけ(の人たちを)呼び込める五味田さんの人脈がすごいですね。
五味田:まあ、承継問題って解消しなければいけないんですが、明確に解消をするってものがないといえばないんですよね。結局、一般的な考えで言うと、会社を売るということは30代くらいだと「おお、おめでとう!」なんですが、50代より上くらいになると「なんかありました?」ってなるんですよ。この感覚ですよね。イグジット、カッコいいと考える世代と、身売りしちゃったかというふうに考える世代があります。そっちのほうだと対従業員や対親族に「申し訳ない」思いになるというのが世代が上の方々なんですね。その感覚で承継できずに歳月が流れてしまっているというのが問題なので、これを解消しようと思ったら若者が行ってしばらく社員として働きます。そこで力を認められてから買うという流れなんですね。まあ承継予定派遣みたいなイメージですね。そうするとですね、「承継者いないから会社売ったわ」ではなく「なかなかオレのお眼鏡にかなう奴はおらんかったけど、オレが見つけてオレが育てたあいつに託した」ということになるんですよ。(こっちも)中身を全部わかったうえで買うので、失敗も少ないわけですね。
髙橋:トラブルもない、ということですね。
芳永:ここまでのお話だけでもまだまだ聞きたいことはあるんですけど。
髙橋:そうですね。本題のNFT・DAO・Web3.0に関してお聞きしなければですが。
五味田:では、初心者用といっては失礼になりますが理論的なお話をサラッとさせていただきますね。
まずはNFTから。これは「Non-Fugible Token」を日本語で「非代替性トークン」と言っているのですが、かんたんに言いますと、不動産や株式って法務局に登記しますね。たとえば僕の持つ株式を芳永さんに売って所有権を変える場合って法務局で登記変更をしますよね。所有していることをどこかに登録していてその所有者の名前も記録されているわけですけど、それを書き換えることによって所有権が移転したとみなすことになりますよね。登記を変える、登録の仕組みを変えるこれをありとあらゆるもので登録できるようにするのがNFTです。データを誰が所有しているかを登録する仕組みです。今まではデジタルデータの絵画、曲、デザイナー作品が誰のものかというのが登録する仕組みがなかったのですが、誰がオリジナルの所有者なのかってのを登録できる、登記できるようになったというのが変わったところです。インターネット上では本来所有権を主張できない、与えることができなかったものに与えることができる仕組みにした、というものです。
一例ですが、NBAのレブロン・ジェームズ選手のスーパープレイ動画が227万円で取引されたり、クリプトパンクスの1万体限定NFTアートシリーズの9体のセットが12億8千万で取引されたとか。
所有権をつけることによって売買の市場が生まれるんです。そうやって値がつきますから儲かるわけで、登記目的だったりコレクション目的だったりで売買されるんですね。データに所有者を付与できるようになったというのがNFTです。
髙橋:なるほど。すごい金額がつくんですね、びっくりするくらいの。それとこういうビジネスがあるということにも驚きですが、さあ、次のDAOのご説明をお願いいたします。
五味田:その前にメタバースの話をさせていただいてもいいですか?
芳永:もうここからは五味田さん仕切りでお願いします(笑)。
五味田:まずはサブスク(サブスクリプション型サービス)の流れをご説明していくと大きなビジネスの流れが理解しやすいと思いますのでさせていただきますね。
今、世のなかには所有しない流れが来ていますよね。たとえばCD。一枚数千円で数曲聴くことができますが、今は月1000円も払えば聴き放題じゃないですか。なのでCDを所有する人はあまりいない。シェアする時代です。映画もソフトを借りるからインターネット配信で見るに変わりました。
かろうじて本は残っています。なぜ残っているかといったら、まだ所有するという感覚があるからなんですね。ただ、所有しなくてもいんじゃないかという流れに、読み放題というような流れは確実に来ています。
ここでさっきのNFTが出てくるんですが、たとえば物理的な本はブックオフなどで転売ができますよね。でも電子書籍はアプリなどで読んでも転売はできない。実はそれがNFTによって可能になるんですね。僕が持っているマンガ、たとえばONE PIECEの101巻を髙橋さんの名義に変更すると僕のアプリから消えて髙橋さんのアプリに入るんですね。それが所有者が変わる、ということです。
またはオフィス。「うちの会社って固定のオフィス持っていないんだよね、みんな在宅就労しているんで」と言われたとします。10年くらい前なら「大丈夫かな、この会社」って思われたものですが、今だと「おしゃれだね!」と。
何が言いたいかというと所有するということが価値観としてどうなのかと。たとえばクルマを所有せず必要なときだけレンタカーを借りてっていうのが今だと「そのほうがいいよね」って言われるケースが多いわけで、つまり所有するってことがサブスクに置き換わってきているということなんですね。レンタルとかシェアというのが時代の大きな兆候としてあるんですよ。この大きな流れがどこから来ているか、なんですけど。今僕は飲食業もやっているんですが、飲食業もオーナー権っていう会員権みたいなものがNFTで販売されているんです。それで特別なメニューが提供されたりすんですけど。ここらへんちょっとややこしくなるのでWeb3.0の話を挟ませていただきますね。
最近Web3.0って聞いて「じゃWeb2.0ってなんだったの?」ってことになるんですが、Web2.0ってのは「かんたんなツールやソフトを無料で使わせてやるから広告見てね」ってモデルだったんですね。YouTubeってただで見ることができますよね。便利だから見るじゃないですか。その代わり広告も見ますよね。Googleも検索すると自分の見たいサイト見られますよね。めっちゃ便利ですが、その代わり広告も見なけりゃいけない。
facebookも便利ですよね。だから使うけど、その代わり広告も見なけりゃいけない。この広告を見てもらった収益でサーバーだのシステム等にお金をかけられる、これがWeb2.0なんですよ。じゃあWeb3.0ってなんなのかですが、「オレらがお金かけて便利にしてやってるんだから広告見てね」じゃなくて「みんなでシステム作ってみんなで収益分け合ったらいいんじゃん」っていうものなんです。つまりWeb2.0に対抗する概念で出てきたのがWeb3.0なんです。
具体的に言いますとWeb2.0の代表的なサービスというと、twitter、facebook、Instagram、YouTubeなどですね。
ちなみにWeb1.0はYahoo! JAPAN、Google、msnなど文字での検索だったんです。インターネット、ITの技術が高くなったから映像や音楽などのデータを大量に置けるようになったのでWeb2.0のサービスが展開されたわけです。広告のモデルもそれに合わせて進化した。で、Web3.0は巨大企業ではなく新しくビジネスを始めたベンチャーでも成り立つようなモデルにしていこうというものなんですね。
わかりやすい例を挙げますと、Braveというブラウザなんですが、何がいいかといいますと、設定で広告なしにできるんですよ。一方広告を見ると広告主からお金がもらえるんですよ。これWeb2.0の時代ならGoogleが独り占めしちゃうところなんですけど、みんなで作っているブラウザなのでみんなでメンテナンスして、いったん広告なしにして、もし広告が見たければお金を別途払うモデルにしようっていうものなんです。これがWeb3.0の考え方ですね。ほかにもIPFSってのがあるんですけどこれは何かというと、芳永さん、髙橋さんそれぞれスマホお持ちですよね。そのスマホの空き容量やパソコンの空き容量に間借りさせてもらうことができるサービスなんです。Web2.0ではGoogleのドロップボックスなどを借りてデータを入れておくのでお金を払っていたんですが、それをいろいろなところに間借りして分散しておくんですよ。そしてその人に料金を支払う。
五味田:可能なんです。Web2.0は一人勝ちでWeb3.0はみんな勝ち、ということですね。Web2.0のサービスがなくなるかといえばそうではないと思うんですが、Web3.0に代替されるようになればユーザはそちらへ流れるかもしれませんね、というところです。IT技術が進化したからこういったことが可能になったんです。
で、これがわかるとDAOが理解しやすいと思います。
Web2.0はトップダウン式の従来の株式会社で意思決定者が儲かる仕組み、DAOというのはWeb3.0的な考えでみんなで意思決定してみんな儲かるのがいいんじゃないという仕組みです。
DAOでもっとも有名なのがNouns(ナウンズ)という取組みでして、1日1個ドット絵のキャラクターアイコンが生成されオークション販売されます。イーサ(ETH)という暗号資産で1イーサ=10万円〜15万円なのでこのキャラクターアイコンが200イーサですから3000万円なんですね。
これをオークションで競り落とした人がNouns DAOに入れるわけなんですが、販売額分のイーサが主催者に入って主催者だけが丸儲けというのではなく、NounsDAOメンバーの共通お財布にプールされます。プールされたお金は、たとえばDAOメンバーで議論したうえで、誰かに出資して新たなプロジェクトを起こしたり、パブリックドメインを持っているのでそれを用いてコラボプロジェクトに運用したりします。
DAOってのはPTAに近いというイメージで語られることが多いですね。
誰か特定の人が儲かる、ではなく参加している人みんなが儲かるという理屈です。
芳永:なるほど。いろいろわかってきましたが、話し足りない部分はないですか?
五味田:最後にメタバースのお話をします。
メタバースの条件っていくつかありまして、
1.永続性がある
2.ライブで同時多発
3.ユーザーの上限なし
4.完全に機能した経済
5.相互運用性
6.あふれるコンテンツと体験
最低1〜3、さらに4と5、流行らせようと思ったら6といった具合です。
まず「永続性がある」です。
お二人はゲームをされるかわかりませんが、RPG、たとえばドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーってご飯食べるからって止めたり、ちょっと気に食わんからって消したりできるんですが、でも、人生ってそれできませんよね。なのでそれはなしねと。
次に「ライブで同時多発」ってのはその仮想空間上で起こったことは、ほかの人にも影響を与えるってことなんですよ。たとえばマリオカートをしているとします。マリオカートをしている4人は同じ世界を共有していますが、違うところでマリオカートしている人たちは違う世界にいるじゃないですか。それダメよと。同じ空間にいるようにしなさいと。
「ユーザーに上限なし」というのはその空間に入れる人間は30人とか上限を設けることはせず、何人でも入れるようにしましょうと。
現実空間と同じにしましょうという条件なんです。リセットもセーブも戻りもできない。これを満たすのがメタバースといわれる空間なんですね。3D仮想空間をメタバースと言っている人が多いですが、この3つの条件を満たしていないとメタバースとは呼ばないんですね。
次に「完全に機能した経済」ということでいうと、そこで相談などを受けて相談料をいただくとか、仮想空間上のお部屋片付けをして片付け料をいただくとか、経済が成立するんですよね。
「相互運用性」はメタバースを繋げることができるんですね。行ったり来たりが可能なんです。AメタバースとBメタバースを行ったり来たりできるようにしようね、ということです。
最後、おもしろい空間じゃないと人は来てくれないよね、ということで「あふれるコンテンツと体験」を提供しようね、ということなんです。
相互運用性のところでAからBに移動する際に、たとえばAで購入した服をBで着用できるようにする、服の所有権を付与するのがNFTなんです。
髙橋:そこで繋がるんですね。
五味田:そうなんです。スニーカーのコレクターさんなどはメタバース上で履ける数はしれてるので、たとえばそれを欲しい人に転売する、その際にNFTで登録されているので名義を書き換えることで買った人がほかのメタバース上でも使うことができる、というようなことなんです。
髙橋:まだお聴きしたいことはありますが、同世代、次世代への提言ということで経営者としてのアドバイスをいただけたらと思います。
五味田:そうですね。事業って儲けやすいところで儲ける、もちろんお客様のために役立つとか、従業員や関係者に役立つとかが前提ですけど、儲かるものから始めるというのが前提だと思っていまして、儲かるためにはどうしたら良いかというと需要が多くて供給が少ないこと、これがすごく儲かることだと思うので、ぜひ需要が多くて供給が少ないことさらにそれが社会課題に繋がっていることをやると事業は勝手に大きくなるのでそうしていただくといいのかなと、ちょっと偉そうな言い方で恐縮ですが僕が思っていることです。
芳永:まさにそういった需要と供給のところを見てきて実現されてきたんですね。
髙橋:だからこそ今がある、ということで素晴らしいお話をありがとうございました。
2022年9月6日収録