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「もっと欲しい」ではなく「何を手放すか」──経営と人生の答えを求めて

  • 執筆者の写真: ncu807
    ncu807
  • 8月10日
  • 読了時間: 2分

創業10年で年商100億円に到達した経営者と、じっくり話す機会を得た。

予想通り、いや予想以上に、素晴らしい方だった。


私がなぜ経営者育成研究会を創り、なぜ日々多くの経営者と面談を重ねているのか。

その理由や背景を、時間をかけて聞いてくださった。

とても聞き上手で、気づけばを自分のことばかり語っていた。


息子の死、そこから生まれた死生観。

そして、2028年には会の代表を降りることを決めている理由まで。

本来なら一部の人にしか話さないことも、不思議と口をついて出てしまった。


「その原動力は何ですか?」


その問いにこう答えた。

「私はいま幸せである。

 汚い身なりもせず、贅沢を言わなければ食べるものに困らない。今日寝る場所にも悩むことも無い。

 世界に目を向ければ、爆発音と銃声に怯え、泥水をすすって、逃げまどう人もいる。

 国内においても悲惨な出来事が後を絶たない。

 

 世の中を変えたい。

 非力な自分に大きく変えることは出来ない。

 しかし出来ることはやりたい。

 自分の周りだけでも、ほんの少しでも変えたい。

 その仕組みを作るために日々を命を燃やしたいと本気で思っています。」


そう問われた瞬間、私の頭にはある人物の顔が浮かんでいた。


今年5月に他界した、ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領。

彼は、権力の座にありながらも質素な暮らしを貫き、


「貧しい人とは、少ししか持っていない人ではなく、際限無くもっともっとと欲しがる人だ」と語った。


彼我の差は歴然で名をあげることすら失礼かもしれない。

だが私にとっても、経営も人生も、最終的には「何を持つか」ではなく、「何を手放し、何を残すか」という問いに行き着く。

ムヒカの生き方は、その問いへの一つの答えを示してくれている。


経営者と話していると、売上や利益の先に、必ず「生き方」の話になる。

それは、会社を育てることと、自分自身を育てることが、実は同じ線の上にあるからだ。


私は、2028年11月23日経営者育成研究会を次代に引き継ぎ代表を降りる。

この残された3年間で、何を育て、何を残していくのか。

昨日は改めて、自分に問い直す良き日となった。


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