【第2話】この4年で積み上げてきたもの
- ncu807
- 2025年12月9日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月14日
第1話では、2028年11月23日という日付を、私自身、そしてNCU合同会社にとっての「ひと区切りの日」としてどう位置づけているかを記した。それは一つの到達点であり、次なる展開への始発点でもある。
では、その日に向かっていくための確かな「足場」として、この四年あまりの間に、我々はいったい何を積み上げてきたのだろうか。
第2話となる今回は、2025年12月という現在地点から、これまでの歩みを事実に基づいて淡々と、しかし解像度を上げて振り返ってみたい。
あらためて、経営者育成研究会の活動を俯瞰すると、大きく三つの奔流が合流し、今の形を成していることがわかる。
すなわち、「面談(対話)」「マッチング(縁)」「発信(記録)」の三つである。
第一の柱であり、すべての活動の土台となっているのが「面談」である。
2021年の立ち上げ当初から、私はオンラインでの1対1の対話を、雨の日も風の日も続けてきた。週におよそ40件。それを四年という歳月で積み重ねた結果、面談数は単純計算で累計8,000件を超えている。
その中身は、決して華やかな成功譚ばかりではない。むしろ、誰にも言えない苦悩の吐露が大半だ。足元の業績に対する焦り、採用や組織崩壊への苦悩、あるいは家族関係や自身の健康に対する不安。
ここでは「経営者だから」という特別扱いはしない。鎧を脱ぎ捨て、一人の人間として語られる言葉に、ただひたすらに耳を傾け続けてきた。
8,000回もの対話を重ねると、個別の事象を超えた「共通項」が浮かび上がってくる。人はどこでつまずき、何をきっかけに再び歩き出せるのか。教科書には載っていない、生々しい人間心理の機微とパターンの蓄積こそが、今の私の判断を支える最大の財産となっている。
第二の柱は、「マッチング」の流れである。
誰かの切実な話を聴いていると、ふと、別の誰かの顔が脳裏をよぎる。「この人とあの人が出会えば、何かが解決するかもしれない」。当初は直感に基づき、無償で縁をつないでいたに過ぎなかった。
これを2023年4月に会員制の有料サービスとして仕組み化してからは、紹介の精度と記録に徹底してこだわってきた。
2025年12月9日現在、会員数は120名、そしてマッチングの総数は4,021件に達している。
これは単なる名刺交換の回数ではない。どのタイミングで、誰と誰が出会い、どのような化学反応が起きたのか。あるいは、なぜうまくいかなかったのか。かつては私の感覚だけに頼っていた「縁」という不確かなものを、履歴として検証可能なデータへと昇華させてきたこと。泥臭い作業の連続であったが、これがこの四年の大きな収穫である。
そして第三の柱が、対談・書籍・発信による「言葉と記録の蓄積」である。
2021年12月に開始した経営者対談は、収録回数にして180回を超えた。これらは一過性のコンテンツとして消費するのではなく、普遍的な知見として残すべく、2023年4月の『経営者育成研究会①』を皮切りに、今月には第4弾を刊行するに至った。また、2022年7月に開設したYouTubeチャンネルを通じても、継続的な発信を行ってきた。
これらは決して「経営の正解」を教えるためのものではない。それぞれの経営者が歩んできた道、躓いた石、見上げた空の色を共有し、誰かの経験が、時を超えて別の誰かのヒントになればいい。そのような祈りにも似た気持ちで続けてきたものである。
こうして三つの流れを並べてみると、研究会がこの四年あまりで行ってきたことは、極めてシンプルであると気づく。
・対話の蓄積(面談)
・ご縁の蓄積(マッチング)
・言葉と記録の蓄積(対談・書籍・発信)
派手なプロモーションや、短期的な拡大を狙ったキャンペーンなど、一度も行ってこなかった。ただ目の前の相談に向き合い、必要な人を紹介し、そこから生まれた言葉を記録する。その地味で泥臭い反復の結果として、いまの景色があるに過ぎない。
しかし、2025年12月の地点で明確に見えている課題がある。
それは、この膨大な蓄積が、いまだ私の「個人の頭の中」や「アナログな記録」に偏在しているという点である。どのような価値観でマッチングを判断してきたのか。8,000件の対話から導き出される成功と失敗の法則は何なのか。
これらを私の暗黙知として留めておく段階は終わった。これらを棚卸しし、言語化し、誰もがアクセスできる形式へと整理していくこと。それが、2028年に向けたこれからの三年弱、最初に取り組むべきステップとなる。
次回の第3話では、これらの蓄積を前提とした上で、2026年以降、我々が「AIとどう協働していくか」について、現時点での構想を記してみたい。




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