一票を投じた。しかし、政治は「選挙のない日々」にある
- ncu807
- 7月14日
- 読了時間: 2分
期日前投票を終えた帰り道、いつもの感覚に包まれた。
大きな役割を果たしたという高揚感と、その直後に訪れる、不思議な物足りなさ。たった一票を投じただけで「社会に参加した」と満足してしまう自分を少し恥じた。
もちろん、投票は民主主義の根幹である。だが、それは決してゴールではない。むしろ、社会と向き合うためのスタートラインにすぎない。政治家にのみ未来を委ねるのではなく、自分たちが何を語り、どう行動するかが、未来の輪郭を形づくっていくのだ。
政治とは、決して縁遠いものではない。
何を食べ、どう働き、誰と関わるか。日常にある無数の選択が、「どう生きるか」という思想の表明であり、社会に対する意思表示となる。生き方そのものが、実は政治そのものかもしれない。
その第一歩は「知ること」である。
日々の暮らしで感じる違和感や「なぜ?」という問いを、自分ごととして捉え、言葉にしていく。それを続けることでしか、本質的な変化は起こらない。
現在、私は経営者と日々対話し、現場の課題を共有する場を創っている。経営者育成研究会の対談イベントもまた、ある種の日常の中の政治的営みである。制度を変える前に、まず意識を変える。仲間の声に耳を傾ける。そんな積み重ねが、社会を動かすと信じている。
一票は、確かに重い。
だが、その一票で燃え尽きてはならない。選挙という「点」ではなく、選挙の「ない日々」という「線」で、私たちは社会と関わっていくのだ。
そんな決意を新たにした、投票からの帰り道だった。




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