主語の交代
- ncu807
- 2025年12月26日
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2025年という一年を振り返るとき、私の脳裏に浮かぶのは達成感ではない。むしろそれは、静かで、しかし決定的な断絶の感覚である。経営者育成研究会にとって2025年は、単なる成長の年ではなく、不可逆な転換点であった。
結論から言えば、この一年で「私」という個人を主語とした物語は終わり、自走する「仕組み」を主語とした物語が始まった。
特筆すべき出来事として、マッチング実績が累計4,000件を突破したことが挙げられる。しかしこの数字は、単なる紹介件数の積み上げではない。成約、資本提携、共同プロジェクトの始動、そして経営者同士の深い連帯。熱量を伴った実体のある繋がりが、私の関与を待たずして同時多発的に生まれ続けた結果である。
同時に、この成果は残酷な事実も突きつけた。人間一人の脳と時間で、すべての縁と判断を最適化し続けることには、明確な限界があるという事実である。1,000社を超える会員データ、2,000件以上の面談ログ、そして長年培ってきた直感や判断基準。それらを私という個体に閉じ込め続けること自体が、コミュニティの成長を阻害する要因になり得ると確信した。
そこで2025年、私が注力したのは「頑張ること」ではなかった。執着を手放し、意思決定の構造そのものをAIへと移植することである。いわゆる「AI芳永」とは、人格のコピーではない。判断の基準、優先順位、関係性の読み解き方を形式知化し、コミュニティ自体が知能を持つ状態をつくる試みである。
営業自動化、マッチング支援GPT、会員履歴の完全連動。これらは目的ではなく、「主語の交代」を実現するための手段にすぎない。
また本年は、地方創生や大型アライアンスへの参画も加速した。これも拡大志向の結果ではない。NCUというモデルを、個人の成功譚に留めず、社会実装可能な仕組みへ昇華させるための必然であった。
2025年を一言で表すならば、こうなる。「私が主語であることをやめ、判断が自走するコミュニティへ切り替えた年」
来る2026年、私は何かを新しく生み出そうとはしていない。2025年に立ち上がったこの仕組みを、いかに静かに、いかに自然に社会へ溶け込ませるか。その運用に集中する年となるだろう。
個人の才覚に依存する時代は終わりを迎えつつある。これから始まるのは、集合知が自律的に駆動する時代である。
本年、共に歩んでくださったすべての経営者諸兄姉に、心からの敬意と感謝を捧げたい。




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