人生を変えるのは人との出会い
- ncu807
- 11月7日
- 読了時間: 3分
これは、私の経験の中で骨身に染みて実感している真実である。
しかし、ただ待っているだけで運命的な出会いが降ってくるほど、人生は甘くない。
出会いは、自らの行動と姿勢によって、初めて手繰り寄せられる。
今から26年前。
まだインターネットが今ほど身近ではなかった時代、私はある京都の上場企業のホームページに、こう書き込んだ。
「御社の会長に会いたい。」
今でこそSNSや問い合わせフォームを通じて経営者にメッセージを送ることも珍しくないが、当時それは、ほとんど“無謀”ともいえる行為だった。
常識的に考えれば、そんなメッセージは担当者で止められ、スルーされて終わる。
それでも、私はどうしてもその方に会いたかった。
「どうしても」という思いは、人を常識の枠から押し出す原動力になる。
だから、あえてケンカを吹っ掛けた。
「この問い合わせ窓口は書き込みづらい。本当に顧客のことを考えているのか?」と添えた。
我ながら挑発的だったと思う。
だが、ただ「会いたい」と願っているだけでは扉は開かない。
何かを動かしたければ、自分が動くしかない——
時にそれは、常識を打ち破る勇気でもある。
翌日、すぐに返信が届いた。
それは広報室の室長からの、丁寧なお断りのメールだった。
不思議と、落胆はしなかった。
私の無謀な問いかけを「きちんと受け止め、わざわざ返信をくれた」——
その誠実さに心を打たれた。
その一通のやり取りが、すべての始まりだった。
結局、会長には会えなかったが、その室長とは今も、変わらず温かいお付き合いが続いている。
26年という歳月を経ても、あのメールの余韻と誠実さは色あせない。
人は、誰と出会うかだけでなく、どんな姿勢で出会いに臨むかで、人生が変わる。
私はそのことを、このご縁を通じて深く学んだ。
出会いとは「迎えに行くもの」とも言える。
振り返れば、私の人生を良い方向に変えた出会いは、いつも少しの勇気と行動の先にあった。
チャンスは誰にでも訪れる。
しかし、それを「人生を豊かにする出会い」に変えるのは、他でもない、自分自身の姿勢と行動力だ。
誰かに会いたいと思ったら、理由をつけて諦める前に、会いに行けばいい。
伝えたい思いがあるなら、恐れずに言葉にして伝えればいい。
結果がどうであれ、行動した瞬間に人生は動き始める。
私はいつもこう思う。
出会いとは、ただ待つものではない。自ら迎えに行くものだ、と。
そして、自ら迎えに行った出会いの中で、ごく一握りの人があなたの人生を根本から変えてくれる。
それがメンターであり、ビジネスパートナーであり、あるいは生涯の伴侶なのだろう。
あの時、私があのメールを送っていなければ、今の私はきっと、違う場所にいたはずだ。
人は出会いによって磨かれ、導かれていく——
今もそのことを強く実感している。
人生を変えるほどの出会いは、そう頻繁には訪れない。
だからこそ、その機会を迎える時、私たちが持つべきは「誠実さ」と「行動力」である。
さて、あなたにとって——
人生を大きく変えた出会いは、誰だろうか。
もしその人の顔が思い浮かんだなら、「ありがとう」と、直に伝えてみてほしい。
きっと、その瞬間から、また新しい人生が始まる。




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