動く者だけが景色を変える
- ncu807
- 11月11日
- 読了時間: 2分
日々、数多くの経営者と対話を重ねている。
新しい事業の構想、組織づくり、人材の成長、資金の悩み。
それぞれに思いがあり、それぞれに未来を描いている。
「こうしていこうと思います」
「今、こういうことを考えています」
そんな言葉を耳にするたびに、私はふと立ち止まる。
この中で、実際に動き出す人はどれほどいるのだろうか、と。
思えば、かつての自分も語る側にいた。
理想を描き、言葉にして、仲間に共有していた。それは前向きな営みであり、思考の整理にもなる。
しかし、現実は言葉だけでは動かない。
動いてこそ、現実が反応するのだ。
一歩を踏み出す。
それだけのことが、実はとても難しい。
やってみれば、必ず思い通りにはいかない。
失敗もするし、恥もかく。
それでも動き続ける者だけが、何かを掴み取っていく。
私自身、何度もそのことを痛感してきた。
頭の中では完璧な構想があっても、現場に出るとすぐに崩れる。
けれど、崩れた先にこそ「生きた学び」がある。
挑戦の数だけ、経験という財産が積み上がっていくのだ。
言葉とは、ある意味で「約束」に似ている。
自分への誓いであり、仲間への宣言でもある。
だが、約束は果たしてこそ意味を持つ。
語るだけで満足してしまえば、その言葉は人を鈍らせる。
私も何度、その落とし穴にはまったことだろう。
「もう少し考えてから動きます」
そう言う若い経営者に出会うたび、かつての自分を思い出す。
完璧を求めて動けなくなっていた日々。
だが、完璧など、動いてみなければ見えてこない。
行動の中でしか掴めない現実がある。
動けば、課題が見える。
失敗すれば、次の工夫が生まれる。
そうして積み重ねた試行錯誤が、やがて未来を形づくる。
静かに、しかし確実に。
語った者が過去を整理し、動いた者が未来をつくる。
その差はほんの一歩かもしれない。
けれど、その一歩が、数年後には決定的な差になる。
だからこそ、私は今日も「やる側」でありたい。
語る前に、まず動く。
不格好でも構わない。
歩きながら考え、やりながら磨いていけばいい。
未来は、言葉の先ではなく、行動の中にある。
そしてその手で動かした分だけ、景色は変わっていくのだろう。




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