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営業は喋るな、社長は動くな

  • 執筆者の写真: ncu807
    ncu807
  • 10月17日
  • 読了時間: 2分

オンライン面談で、延々と話し続ける人がいる。


意欲は確かに伝わる。だが、残念ながら聞き手は次第に疲弊していく。

 

人は「聞かれたい」生き物であって、「聞きたい」わけではない。

ましてや、自分に関係のない情報を一方的に浴びせられる時間ほど、退屈で不快なものはない。


これは営業の場だけでなく、交流会でもよく見かける光景だ。

名刺を両手に持ち、できるだけ多くの人に配ろうと必死な姿をみかける。

自分の話を一通りして、脈がなさそうだと判断すれば、すぐに次の相手へ。

その後ろ姿を、冷ややかに見ている人も少なくない。


「一生懸命」なのに、「届かない」。

なぜか?


それは――

相手の時間を奪っているからだ。


営業は「話す」ことではない

営業の本質は、「話す」ことではない。

むしろ、「質問し」「聴き出し」「見立てる」ことにこそ、真価がある。


相手の抱えている課題や違和感は、こちらが話すことで見つかるものではない。

相手の言葉の中にこそ、ニーズも痛みも、答えもすべて含まれている。

こちらの提案は、その後でいい。


「なぜ、そう思うのですか?」

たった一言の問いが、相手の心を開く。

聴くことによって、相手は初めて「理解された」と感じる。


喋ることで信頼を得ようとする人は多い。

だが、信頼とは、「話す側」ではなく「聴く側」に宿るものなのだ。


社長は「動かない」ことが仕事だ。

そして、社長についても同じことが言える。


社長は「動くな」だ。

いや、正確に言えば「動かない相手にだけ動け」だ。


自ら売り込みに奔走するほど、社長としての価値は下がっていく。

本来、社長の役目は「動く人を見極めること」。

自分が動かずとも、周囲が動きたくなるような存在であること。


社員が自然に動き出すとき、そこには見えない重力のような引力が働いている。

その源こそが、社長の「動かない力」なのである。


沈黙に宿る力が重要だ。

営業マンは喋るほど、チャンスを失う。

社長は動くほど、影響力を失う。


一見、矛盾しているようで、これはひとつの真理である。


静かに問いかけ、相手の言葉を丁寧に拾い上げる営業。

静かに待ち、周囲を惹きつける存在でいる社長。


どちらも、「沈黙の力」を知っている。

喋るより、聴け。

動くより、動かせ。


それが、成果を生む人たちの共通点である。


さて――

今日、どう沈黙を活用すべきだろう。

自分でも心掛けたい。



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