大嫌いから始まる「好き」の発見
- ncu807
- 8月8日
- 読了時間: 2分
文章を書くのは、大嫌いだった。
大昔、中学二年の夏──。
「夏休みの思い出」と書いてそれ以外は一行も次が書けない。
それを、隣の席の男子に指摘されたのがきっかけだ。
「それじゃ、夏体(たい)みだよ!」
それ以来、文章を書くのがはますます嫌いになった。
ところが、社会人になってドコモショップ運営会社の役員になると、逃れられない現実が待っていた。
頻繁に全道50以上の代理店に向けて、販売施策や新機種情報を文章で伝えなければならない。
社長に提出するたび、容赦ないダメ出しの嵐。
「俺は理系アタマだ。文才なんかない!」
そう叫びたくなる日もあった。
だが、不思議なもので──。
真剣に続けているうちに、コツが見えてくる。
ダメ出しは減り、やがて任せてもらえるようになった。
嫌なことでも、真剣に向き合えば、いつの間にか得意になる。
今ではこうして、あくびでもするかのように文章を書いている。
初めて営業職として、リコーでコピー機を売ることになったときも同じだった。
ノルマ。叱責。
そんな負のイメージしかなく、まったく気が進まなかった。
それでも、まずは上司の指示に忠実に従った。
「50件飛び込め」と言われれば飛び込み、
「30枚名刺をもらえ」と言われればその通りに。
成果よりも、まずは行動をやり切ることに集中した。
すると──不思議なことに成果がついてくる。
やがて営業の面白さに目覚め、今では天職だと思えるほどに好きになった。
「食わず嫌い」という言葉がある。
やってみなければ、本当の価値や面白さはわからない。
そして、どれだけ真剣に取り組むかで、周りの評価も変わる。
最初から好きな仕事に出会える人は、ほんの一握りだろう。
多くの人は、目の前の課題に悪戦苦闘しながら、少しずつ喜びを見出している。
結局のところ──。
大切なのは、目の前のこととどれだけ真剣に向き合えるだ。
では、あなたが今「大嫌い」だと感じているものは何だろう。
人間関係。
仕事。
勉強。
それはもしかしたら、ただの「食わず嫌い」かもしれない。
一度、思い切って真正面から向き合ってみよう。
逃げ出したくなるような課題でも、本気で取り組んでみたら──。
案外、想像以上に素敵な味がするかもしれない。
その一歩が、きっと新しい「好き」を発見するきっかけになるはずだ。




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