心を揺さぶる言葉が次代を創る
- ncu807
- 9月30日
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2021年12月1日にスタートした経営者対談は、本日で150回目を迎える。
約4年の歳月、週に一度のペースで積み重ねてきた。この回数に、改めてその重みを感じている。
この対談は、経営者育成研究会の基軸事業である。
YouTubeでの公開に加え、毎年まとめを集録本としてAmazonで刊行してきた。紙の書籍として残すことは、単なる記録という以上の意味を持つ。それは、彼らの「生きた言葉」を、より多くの人の手元に、形として届けたいという強い願いからきている。動画を視聴する機会を逃した人にも、じっくりと、繰り返しその哲学に触れてほしいのだ。
私が36歳の時に起業を志したきっかけは、堀場政夫氏によるものが大きい。 彼は京大在学中に堀場製作所を立ち上げ、一大計測器メーカーに育て上げた人物。
「おもしろおかしく」を社是とするユニークな社風は、まさにベンチャーの原点を象徴しているようである。それは、仕事とは苦行ではなく、知的好奇心と遊び心をもって突き進むものだという、私にとっての理想像だった。
当時、私はテレビの前にかじりついていた。
「堀場政夫のこころはベンチャー」──テレビ東京の30分対談番組。
稲盛和夫氏をはじめ、名だたる経営者たちが登場し、「起業とは何か」「経営とは何か」「人生とは何か」を堀場氏との対話を通じて語っていた。番組から発せられる熱量、言葉の力、そしてその裏にある深い哲学に、私の心は鷲掴みにされた。
心が深く揺さぶられた私は、迷うことなく起業の道に進む。あの時、テレビ越しに聞いた経営者の言葉が、私の人生を根本から変えたと言っても過言ではない。言葉には、人の行動を変えるほどのエネルギーがあることを、身をもって知った瞬間だった。
だからこそ、今こうして日々奮闘する多くの経営者を紹介するこの対談を続けている。あの時の私がそうであったように、誰かの言葉によって人生の舵を切る人が、この日本に、いや世界に、もっと増えてほしいと願ってやまない。
この間で延べ150名の方にご登壇いただき、対談はシリーズとして定着した。毎回、新しい知恵と情熱に触れることは、私自身の学びにもなっている。150名の経営者、150通りの人生観、150通りの事業哲学。一つとして同じものはない。その多様性こそが、この対談の価値だと信じている。
登壇者の獲得はいつも通りFacebookアタックからだ。
友達申請、メッセンジャーでの面談要請。はじめましてのオンラインで「この人だ」と思えば即オファーする。
その直感は、相手の持つ熱量や、発する言葉の深さ、視点の鋭さといった、言葉の裏側にある“何か”を感じ取ったときに生まれる。
この「直感と行動」の積み重ねで、毎月2〜3名の登壇を確定させてきた。時には、何度かのコンタクトを経て、ようやく実現する対談もある。その全てのプロセスに、強い「使命感」がある。
「その原動力はどこにあるのか?」
よく問われたりする。資金があるわけでもない、目に見える利益を生むわけでもない活動を、なぜこれほどまでに継続できるのか、と。
次代を担う経営者を育てたい──。
私自身がそうであったように、経営者の言葉に心を揺さぶられる人を一人でも多く生み出したい。
そして、その熱に触れて「自分もやりたい」と起業に踏み出す人を増やしたい。これが、私の偽らざる想いだ。
すぐに収益化することなどは頭に無い。もちろん、事業として継続させていく上での体制づくりは必要だが、この活動のコアにあるのは、純粋な「次世代への貢献」という願いだ。その想いがあるから、使命感を持って“勝手に”やっている。
この勝手さが、変に力を入れすぎず、自然体で続けられる秘訣なのかもしれない。
これから先に
これからも同じだろう。
どこまで何ができるかは、私自身にもわからない。150回という一つの節目を迎えても、ゴールが見えたわけではない。むしろ、まだ紹介していない素晴らしい経営者が日本には無数にいる。彼らの言葉を世に出す義務が、私にはあると感じている。
ただ一つ、「やるべき」と思ったことは、やるしかない。
本日も、12人とのオンライン面談の後、150回目の経営者対談が始まる。新たな言葉と、熱い想いに触れることができる喜びとともに、また一歩、この道を歩み続けたい。




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