昨日思ったこと
- ncu807
- 10月2日
- 読了時間: 2分
昨日、健康診断に行ってきた。
採血の針に少し身構え、心電図で胸に貼られる冷たい電極に思わず息を止める。流れ作業の中に身を置きながらも、「今の自分の状態を確かめているのだ」という意識がふっとよぎる。結果が良ければ安心できるし、もしも異常が見つかれば早めに対処できる。それが健康診断の価値である。
日本における健康診断は、実は長い歴史を持っている。
1888年に学校で「活力検査」が始まり、1911年には工場法によって労働者向けの診断が制度化された。当時の目的は、結核や赤痢といった感染症を防ぐことであったらしい。
昭和初期には「人間ドック」が登場し、戦後は労働基準法や労働安全衛生法によって、健康診断が企業の義務として根付いていく。高度経済成長の時代を経て、1980年代以降は血液検査や心電図などの項目が充実し、現在では生活習慣病の予防・早期発見が大きなテーマになっている。
健康診断は時代の健康課題を映し出す鏡であり、社会全体が直面するリスクと共に進化してきたといえる。
ふと思う。もし「企業」も人と同じように健康診断を受けられたらどうだろうか。
企業の「血圧」は財務体質であり、「血液検査」は社員のモチベーションやエンゲージメントかもしれない。組織の「心電図」は、経営と現場とのリズムが合っているかを示すものに近いだろう。
健康診断を受けずに放置すれば、人は病気に気づかず倒れてしまう。同じように、企業も定期的に自らを見つめ直さなければ、いつの間にか病巣を抱え、危機を迎えることになる。
「人材は資産である」とよく言われるが、その資産を支える母体としての企業自体が健康であることも、同じくらい重要である。だからこそ、決算や数値だけに頼るのではなく、組織文化や働き方の健全さといった“企業の健康診断”が欠かせないのではないか。
昨日の健康診断は、自分の身体のためだけでなく、組織や社会にとっての健康管理の意味を考える時間にもなった。
人も企業も、「健康」であることが何よりの土台である。
今のあなたの組織に、健康診断は必要だと思うか聞いてみたい。




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