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時は金なり

  • 執筆者の写真: ncu807
    ncu807
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

「私の時給は5万円です!」


そう宣言すると、少し空気が変わる。実際にそうかどうかは、問題ではない。これは単なる数字の話ではなく、「覚悟」の話である。


自らに「時給5万円」という値札を貼るということは、時間の密度と価値に対する感度を極限まで高めるということだ。その1分、その1秒に、自分がどれだけの価値を生み出しているか。常にそれを問いながら生きることになる。


この意識は、特に「人と会う」場面において如実に表れる。


たとえば、時給5万円の経営者と30分の面談をする。それは、相手が2万5千円という「見えないコスト」をこちらに投じてくれていることに他ならない。こちらが時間をいただく瞬間から、すでに2万5千円分の「責任」を負っているのだ。


その面談は、相手にとって“投資”となったか?

話の中に、明日から使える具体的な「気づき」はあったか?

相手のもやもやとした課題を構造的に整理し、「次の一手」への道筋を示せただろうか?

何より、「あなたと話せて本当に良かった」と思ってもらえる濃度があっただろうか?


この意識は、鋭い刃となって、自分自身にも向けられる。


果たして、自分の30分は2万5千円の価値を生んでいるか?

集中できているか?成果に直結しているか?

未来の自分や、周囲の人の進化に貢献するような時間の使い方をしているか?


スケジュールに埋まる謎の会議、SNSの無意識なスクロール、処理しやすいメールから手をつける作業…。それらはすべて、「時給5万円」の基準からすれば、“ただの消費”に過ぎない。


本当に大切なことに時間を割けているか。

自分しかできないこと、自分がやるべきことに、集中できているか。


「時給5万円」の意識は、優先順位の明確化を促す。それは、「ノー」と言う勇気であり、自らの価値を高める鍛錬であり、そして、何より時間に対する深い敬意の表れでもある。


仮に、そんな覚悟を持った経営者10名と30分ずつ面談したとしよう。

合計5時間。数字にすれば25万円の「価値交換」がそこで行われる。


しかし、もしその5時間が濃密で、相手にとって事業の転機となるような時間であったなら。それは単なる“面談”ではなく、双方にとっての未来への投資となるだろう。


経営者にとって、最も貴重な資源は「時間」である。

どれだけの知識を得ても、人脈を築いても、時間だけは誰にも取り戻せない。

だからこそ、「この30分をどう使うか」は、生き方そのものに直結する。


今、目の前のこの30分が、消費か投資か。

それを決めるのは、自分自身の「覚悟」である。


あなたの30分は、いくらの価値で扱われているだろうか?


時間は、静かに、しかし確実に過ぎていく。

その音が、何を刻んでいるかを聴ける感性を、いつまでも持ち続けていたい。



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