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時代を変えるのは懸命に生きる人々

  • 執筆者の写真: ncu807
    ncu807
  • 7月26日
  • 読了時間: 2分

NHKの朝ドラには、ただ感動するだけではなく、経営に活かせる多くのヒントがある。現在放送中の「あんぱん」、そして過去の「虎に翼」や「ブギウギ」。それぞれの物語に登場するヒロインたちの生き方を振り返ると、変化の時代を懸命に生き抜く経営者の在り方が見えてくる。


現在放送中の「あんぱん」は、『アンパンマン』の作者であるやなせたかしさんと、その妻・小松暢さんをモデルにした物語だ。注目したいのは、暢さんの「何が起きても面白がる」という前向きな姿勢。やなせさんの創作活動を陰で支え続けた彼女の存在は、共感と支援による「共創者」としてのあり方を象徴している。経営もまた、仲間や顧客と価値を共につくり上げる営みである。困難を恐れず、創造の糧にする柔軟な姿勢は、経営者にとって必要な「人間力」と言える。


2023年度後期に放送された「ブギウギ」は、戦後の混乱期を背景に、歌手として人々を励まし続けた福来スズ子の物語だった。モデルとなったのは、実在の歌手・笠置シヅ子さん。スズ子は、愛する人との別れや時代の変化に直面しながらも、自分らしさを失わずに乗り越えていく。その柔軟な対応力は、「適応者」としての経営者の在り方に通じる。市場のニーズが変わる中で、落ち込むのではなく、自らの強みを活かしながら形を変えて進んでいく力は、企業が生き残るための鍵となる。


その後に放送された「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人・三淵嘉子さんをモデルにした作品だった。主人公の猪爪寅子は、制度も社会の理解も不十分な中、女性の権利や法の意義を問い続けた。常に正面から課題に向き合い、自ら道を切り拓いたその姿は、「開拓者」としての経営者像に重なる。誰も挑んでいない分野や新たな市場に飛び込むには、信念と行動力が必要だ。そして、自分自身を信じ、たとえ困難な状況でも「やってみる」という意志を持つことが、未来を切り拓く第一歩になる。


「共創者」「適応者」「開拓者」――この3つの視点は、朝ドラのヒロインたちの生き方から見えてくる、経営者にとっての重要な顔だと私は考える。どの時代も決して平坦ではなかった。だからこそ、自分らしく困難を乗り越える力、他者と共に価値を創る姿勢、変化に対応するしなやかさが求められる。


私は、経営者育成研究会という場を通して、こうした視点を持つ経営者を一人でも多く増やしていきたいと思っている。ドラマを観て感じたことを、自らの経営に活かす。そんな柔軟さがある人が、次の時代をつくっていくのだと信じている。


共通なのは皆がその時を悩み苦しみながらも懸命に生きた。私もそうありたいし、そういう経営者と共に歩みたい。


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