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「やりたいこと」がわからなくなるのは何故か?

  • 執筆者の写真: ncu807
    ncu807
  • 9月11日
  • 読了時間: 3分

「これだ!」と思って始めたはずなのに、いつの間にか「自分は本当にこれをやりたいんだろうか?」と迷ってしまう。そんな経験は誰にでもあるのではないだろうか。

私も、何度も同じ迷いを繰り返してきた。


たとえば、営業の世界に飛び込んだときもそうだった。飛び込み営業で断られ続け、テレアポで声を枯らし、時にはターゲットを絞って社長に直接売り込みを仕掛ける。今振り返れば、必死さに突き動かされた日々であり、熱量の塊のような時間だったと思う。


しかし、正直に言えば、その頃の私が「この営業こそが本当に自分のやりたいことだ」と信じていたかというと、そうではなかった。むしろ進めば進むほど、「これは本当に自分が求めている道なのか」と立ち止まる瞬間が幾度となく訪れていたのである。


進むほどに変わる「景色」


なぜ迷いが生まれるのか。それは、進むにつれて「景色」が変わっていくからである。


営業を始めた頃の私のゴールは、とにかく「成果を出すこと」だった。だが、飛び込みで断られ続けるうちに、相手の言葉の裏にある「感情の揺れ」に目が向くようになった。テレアポを重ねる中では、声だけで信頼を伝えることの難しさや、その奥に潜む面白さを知った。


やがて社長営業の場に立てば、数字の話だけではなく「人と人とのつながり」が勝負を分けるのだと学んだ。さらにSNSに力を入れ始めると、営業とは「モノやサービスを売る」だけではなく、「価値観を共有する場」でもあると気づかされた。


こうして見えている景色は、同じフィールドに立ちながらも少しずつ更新されていった。最初に描いた「やりたいこと」は、次々に新しい発見に揺さぶられ、その姿を変えていったのである。


「やりたいこと」は固定ではなく、更新されるもの


人は「やりたいことを見つける」ことを、ひとつのゴールのように語りがちである。


だが実際には、「やりたいこと」とは固定された一点ではなく、歩みの中で更新され続けるプロセスに近い。


事業も同じである。その時点での「やりたい」に向き合う過程で新しい視点に出会い、次の「やりたい」が生まれる。だから途中で「わからなくなる」のは、決して失敗や後退ではない。むしろ、新しい景色が開けつつある証拠なのだ。


立ち止まった時にできること


とはいえ、人は迷うと動きを止めてしまいがちである。私もそうだった。だが営業活動を通じて学んだのは、「わからなくなった時ほど、小さな行動を止めないこと」である。


一件の飛び込み訪問が、思わぬ気づきを運んでくれることがある。たった一回のテレアポが、新しい会話のパターンを開いてくれるかもしれない。一度のSNS投稿が、予期せぬ人とのつながりを生んでくれることもある。


立ち止まって考え込むよりも、動き続ける中でこそ次の「やりたいこと」は姿を現す。私はそう信じている。


「やりたいこと」とは、静止した正解ではなく、動きながら更新されるプロセスである。


もし今、「わからなくなった」と感じているとしたら。それはきっと、新しい扉が開こうとしているサインなのだろう。


私も動きながら次の「やりたい」を発見し続けたい。



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