令和のお見合い爺
- ncu807
- 8月24日
- 読了時間: 3分
マッチングとは何か。
人と人を繋ぐこと、と言ってしまえば簡単である。しかし、ひとつ出会いで人生も、事業も、大きく変わっていく。そのことを私は日々、肌で感じている。
2023年4月から有料サービスとして「経営者の引き合わせ」を始めた。そこから約2年半で、繋いだ件数は3,600件にのぼる。数字だけを見ればかなりものだが、私にとっては一件一件がかけがえのない物語である。
私は毎月およそ50人の経営者と新規面談をする。短い時間であっても、その人の歩みや想いを聴き、どんな経営者と出会えば前に進めるのかを考える。ある意味で「人となりを見定める時間」である。そうして、ここぞと思える相手と相手を結びつけるお手伝いをしてきた。
ただし、私がしているのは「引き合わせること」だけだ。直接的に営業を手伝うわけでも、契約をまとめるわけでもない。売り込むのも、仲良くなるのも、それぞれが自ら努力して掴み取るものだと考えている。だからこそ重要なのは「誰と会えるか」。その一点に尽きるのだ。
この役割を自分で振り返ると、まるで「お見合いの仲人」のようだと思う。いや、むしろ「令和のお見合い爺」かもしれない。昔ながらの仲人は男女の縁を取り持った。私は経営者同士を引き合わせ、新しい事業や協力関係、時には人生を変える出会いを生み出す。形は違えど、根っこは同じである。
出会いは不思議だ。偶然のように見えて、その裏には必然が潜んでいる。ある経営者に別の経営者を紹介したとき、「まさに探していた相手だ」と驚かれることがある。そんな瞬間に立ち会うと、私は自分の役割に誇りを感じる。出会いの力は、人を動かし、事業を変え、未来を広げるのだ。
もちろん、すべての出会いがすぐに成果に結びつくわけではない。時には肩透かしに終わることもあるだろう。しかし、それも含めて「経験」になる。大切なのは、出会いに臆さず挑み続けること。動けば必ず何かが動く。その循環を信じている。
私自身も、この活動を通じて多くの学びを得てきた。経営者の話を聴くたびに、新しい視点や考え方に触れ、自分も成長していく。出会いは相手のためだけでなく、自分自身をも豊かにしてくれるものなのだ。
「令和のお見合い爺」として、これからも私は経営者同士を繋げていく。
これでで満足するつもりはない。むしろ、ここからが本番だと思っている。どれだけ時代が変わっても、人が人と出会い、関係を築くことの価値は変わらない。
出会いが未来をつくる。
だから私は、今日もまた新しい経営者と向き合い、誰と誰を引き合わせるべきかを考えている。
次の出会いが、誰かの人生を変える一歩になると信じながら。




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